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首里は坂道の多いまちである。その上道は曲がりくねっているし、方向を定めて歩いているつもりでも反対側にでてしまったり、とんでもないところにぶつかってしまうことはしばしばである。しかも路地が多い。「首里はねぇ、道が狭いから行きたくないなぁ。」とタクシーにさえ敬遠されてしまうこともあった。 | ||||
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工芸館の中にはいると後継者育成事業の研修生達がせわしげに機(はた)を動かしていた。今まで巡ってきた織物とはやはり違う。機にかかる糸を見ただけでその違いは歴然としていた。その色糸の鮮やかさ、多様さといったらなかった。首里織は色と技法がたくさんあるのが魅力なのだと聞いていたから、実際それらを目にして思いは一層強くなっていった。さすが王府の御用達(ごようたし)の布である。たくさんの色に彩られながらも、上品な風格を備えているように見える。 |
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