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那覇市小禄にある那覇市伝統工芸館へ。首里織の組合はここにも工房を持っていて、実際に織っている織り手さんたちを窓の外から見ることが出来る。「動物園のおさるさん状態だけど、気にならない。だって場所を提供してもらってるから」とくすくす笑い合う新垣斉子(あらかきときこ)さんと石原りえさんは後継者養成の研修での同期生だ。3年前から首里織に関わっているという。「石原さんは手先が器用で、私は不器用なの。」と新垣さん。「そんなことないわよ」と横からすかさず石原さんが口をはさむ。聞くと、新垣さんは首里織の服地を用いて、かりゆしウェアという、沖縄独特のユニフォーム的な夏のシャツを制作し、それで奨励賞をもらったのだという。 | ||||||||
| 安座間美佐子(あざまみさこ)さんの工房を訪ねる予定の午後。曇り空からは雨が落ち始めていた。安座間さんは、首里織という格式高い織物の、明日を担う組合の理事長である。いささか緊張していた。それなのに、あろうことか、道に迷ってしまったのだ。為す術もなく、情けない声で電話を入れると、すぐに迎えに出てきてくれた。やわらかな笑顔が印象的な方である。少しだけ緊張がとれる。 |
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