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織りの工程を見せてもらう。十字絣は針で柄合わせしながら織り込まれていく。片手に針を持ち、少しずつ動かしては柄を揃えている。遠目に見た感じでは何をやっているのか分からないほどの細かな作業だ。慣れない人は一反織り上げるだけで一年はかかるというのがよく分かる。藍の中に白く浮かび上がっていく絣模様。その薄さは溜息が出るほどだ。 |
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宮古上布を織り続ける理由を「好きだからやっている」と答えていた20代の頃。それが今では「支えなければならない」という気持ちに変わってきた、と垣花さんは話す。守る者、伝える者としての責任の重さを痛感しているのだという。「受け継いだものは伝えていかなければならない」それが伝統なのだ。絶やすわけにはいかない。 |
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下地ハツ先生に「あなたに出来るかな」と言われながらも始めた織だった。「先生には織りの技法だけではなく、心の部分も教えていただいた」、と垣花さんは遠くを見る。 |
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