手作り玩具【概要】
昔の子どもたちは、一歩外に出れば、豊かな自然に囲まれていました。庭先や道端、広場で木や草、花や実、浜辺では貝がらなど身の回りにあるもので遊びました。
そのような玩具に、ソテツの実の人形・葉で作った虫かご・綿毛を芯にした手まり、アダンの葉の風車・指を入れると抜けなくなるハブグヮー・星コロ、クバの葉柄でつくった小舟、ガジュマルやフクギの葉の帽子などがあります。
女の子はジュズダマの実を糸で通して首飾りにしたり、お手玉の中につめたり。また、少年たちは、木切れでコマを、竹で竹馬・竹トンボ・てっぽう・凧の骨組みを、二またの木の枝ではパチンコを作り、出来上がると、仲間同士で競い合って遊びました。
玩具の作り方は、それぞれの地域の年長の子どもたちから年少の子どもたちへと伝えられ、現代に伝承されていますが、肝心の玩具の材料を提供してくれていた自然が、子どもたちの日常から遠いものになってしまいました。
また、子どもたちが集団で遊ぶ風景も最近ではめったに見かけなくなりました。
かつて子どもたちを夢中にさせた手作り玩具の数々は、今では子ども時代の遊びやおもちゃに郷愁を抱く、一部のかつての子どもたちの手によりかろうじて生き長らえています。
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