沖縄の玩具・オモチャは、イーリムンとよばれ、大きく二つに分けられます。一つは、身近なところにある草や木などを利用して、自分たちで作る手づくり玩具で、もう一つは、専門の人が作る伝統的な琉球玩具です。 昔から自然にめぐまれていた沖縄では、子供たちはアダンやソテツなどの植物を利用してさまざまな遊び道具を作り、遊びながら、自然の厳しさや豊かさを体験し、子供たち同士のコミュニケーションを深めていきました。 一方、年に1度のユッカヌヒー(旧暦5月4日)には、伝統的な玩具と並び、ふだんは簡単に手に入れることができない独楽(こま)や凧(たこ)、マリなども市場に並びました。子供たちは、親や親せきからこれらの玩具を買ってもらうのが大きな楽しみでした。 昭和に入ると、セルロイドやブリキでできた安いオモチャが本土から入ってくるようになり、伝統的な玩具の人気は衰えました。 しかし、沖縄戦や米軍占領時代のアメリカ文化の浸透、本土復帰を経た現在でも、かつての社会や暮らしをなつかしみ、貧しくても心が豊かだったのではないかと見直す動きも広がっていて、伝統的な玩具を愛好する人々や、子供たちの遊びを復活させようという活動が増えています。 |
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