■沖縄の凧
沖縄の凧の特徴として、格子状の太くがっしりした骨組みで、強風にも耐えられること、引く力が強いので、しかけ凧で遊べること、長い長い尾とそれより短い補助の尾をつけること、などがあげられます。
沖縄本島のマッタクー、カーブヤー、八重山のピギダーや六角凧、宮古の宮古凧など、さまざまな凧があります。
昔の那覇では旧暦九月九日の重陽の節句のころから、凧あげが行われました。ちょうどこのころになると、ミーニシといって、安定した北風が吹きはじめ、凧あげにはうってつけの天候になるのです。
大正の初めころまで、男の子たちの間では、凧合戦(凧オーラシェー)が盛んにおこなわれていました。凧どうしをぶつけ合うだけでなく、尾に小さな鎌をくくりつけてほかの凧を切ることもありました。長い尾の先の小さな鎌で、相手の糸を切るには、大変な技が必要でした。
八重山や宮古では、旧暦のお正月や旧暦一月十六日に、凧あげが盛んにおこなわれました。
沖縄の凧は、1700年ごろ、程順則(ていじゅんそく)が、留学先の中国から伝えたと言われています。その後、士族の子どもの遊びとして、旧暦九月九日(重陽の節句)に凧あげがおこなわれるようになりました。たんなる遊びではなく、子どもの成長を祈願する意味もあったようです。
程順則は、非常に徳の高い学者で、名護親方、または名護聖人と呼ばれました。死後、その徳をしのんで「名護のマッタクー」という3畳ほどの大凧を作り、ゆかりの地であげたと伝えられています。 |
|