沖縄島北部は、国頭山地[通称ヤンバル]にノグチゲラやヤンバルクイナなどの固有の鳥類がすんでいます。ヤンバルには、イタジイの優占する広葉樹林が広がり、北から西銘岳[420m]、照首山[395m]、与那覇岳[498m]、伊湯岳[446m]、玉述山[288m]と丘陵地がつらなっています。ここにはヤンバルクイナやノケチゲラのほかにも、琉球列島固有種のアカヒゲやアマミヤマシギなども生息しています。さらに森林性の大型のハトであるカラスバトやヤマガラ、リュウキュウサンシヨウクイ、キビタキなどの留鳥(りゅうちょう)が見られます。これらの留鳥を観察するには、それぞれの山地に開かれた林道や山頂にいたる山道を歩くことが必要になります。道に迷わないよう地形図を持参することが不可欠で、道路案内や道標をたよりに進むことが必要です。また観察ルートをあらかじめ調べてから行くことも大切でしょう。
留鳥の観察には時期的にはいつでもよいのですが、行動が活発になる繁殖期(はんしょくき)[4月から6月頃]がよい場合があります。観察する時間は鳥が活動を始める早朝に行うのが基本です。ここには夏期にアカシヨウビンやサンコウチョウが飛来(ひらい)し、秋期にはアカハラダカ、エゾビタキ、サシバなどの旅鳥(たびどり)、冬期にはシロハラ、アオジ、クロジ、ルリビタキ、ヤブサメ、メボソムシクイ、ヤマシギなどの冬鳥(ふゆどり)が飛来して来ます。渡り鳥の観察には、9月頃から翌年の3月頃までの時期がよいでしょう。 |