保護された鳥
傷病鳥の保護
 野鳥の保護には、先にも述べた生態系(せいたいけい)を維持(いじ)するために、鳥のすみかや餌場(えさば)などを確保(かくほ)するということと、けがや病気などで傷ついた鳥を助けるという2つの意味があります。けがや病気などで傷ついた鳥のことを「傷病鳥(しょうびょうちょう)」といい、この鳥たちを保護することもとても大切なことなのです。しかし、基本的に野鳥を介護(かいご)することは知識のない人には不可能ですので、傷病野鳥をみつけた場合には、野鳥の保護施設(ほごしせつ)などへ連絡し、その時に適切(てきせつ)な指示を受け、施設へ引き渡すようにして下さい。
 また、迷子(まいご)のヒナを拾った場合は、そのヒナが本当に迷子なのかを確認して下さい。なぜなら、ヒナを保護するには十分な注意が必要なのです。その理由は、野鳥のヒナはこの時期に、空の飛び方や餌(えさ)の取り方など、きびしい自然を生きぬくために必要な知識(ちしき)を親鳥から学ばなければいけないのです。その時期に親鳥と離れることは保護されることよりつらいことになるのです。ほとんどの場合、ヒナのいる場所の周辺に巣があるはずです。ですから、かわいそうに思うかもしれませんが、拾ったヒナはできるだけ早く元の場所に戻してください。
 野鳥は決して強い動物ではありません。すみかを失うことや餌場(えさば)の減少(げんしょう)などによる生態系(せいたいけい)の変化に柔軟(じゅうなん)に対応できなくて個体数がへってしまう生き物なのです。ただ、生き続けようとする力は、おどろくほど持っています。その命を大切に考え、行動することが私たちには必要なのです。

◆沖縄県内の野鳥保護施設
  沖縄こどもの国 「ネオパークオキナワ」
  連絡先:
  〒904-0021 沖縄県沖縄市胡屋5丁目7番1号
  TEL:098-933-4190
Copyrights 1999 琉球文化アーカイブ All rights reserved.