沖縄島の固有種 「ヤンバルクイナ」
沖縄の野鳥について
 これまで沖縄県で確認されている鳥類は、約420種とされています。その中で一年中沖縄で過ごし繁殖している野鳥[留鳥(りゅうちょう)]は約40種類ほどです。残りは夏期から秋期、冬期などに渡ってくる夏鳥(なつどり)や旅鳥(たびどり)・冬鳥(ふゆどり)などの渡り鳥やコースを誤って飛来する迷鳥(めいちょう)です。ですから、沖縄で記録されている鳥類の約9割は渡り鳥でしめられ、このことが沖縄の鳥類相(ちょうるいそう)の特徴となっています。
 県内で渡り鳥が多い理由として考えられるのは、沖縄県の属する南西諸島(なんせいしょとう)は九州の南端から台湾までの約1,200kmにわたって小さな島が飛び石状に連なり、安全にわたるルートとなっているようです。また、亜熱帯性(あねったいせい)の気候で冬でも暖かく、十分にエサがとれることもその要因のひとつでしょう。このことから、沖縄県は地球規模で渡りを行う鳥にとって、重要な越冬地(えっとうち)や渡りの中継地点(ちゅうけいちてん)の役割を果たしているといえるでしょう。
 もうひとつの特徴として、沖縄は島の面積が小さいことから、留鳥数は他の地域に比べて少なくなっています。しかし、その中には世界中で沖縄にしかすんでいない固有の野鳥が見られます。これは沖縄の成り立ち、つまり地史(ちし)との関係が深く、かつて沖縄が中国大陸と陸続きであったことに関係しています。陸続きになった時期に渡ってきた種類が、その後の地殻変動(ちかくへんどう)で小さな島に分断されたまま生き残り、定着して独自の進化をとげ、その地域にしかすんでいない種類[固有種(こゆうしゅ)]になったというわけです。最近発見されたヤンバルクイナはその代表的な例です。このクイナに近い仲間[近縁種(きんえんしゅ)]は東南アジアにすんでいますが、その昔、ヤンバルクイナの祖先が陸続きの頃に渡ってきて、その後の地殻変動(ちかくへんどう)で島がブロックごとに分かれてしまい、世界でも沖縄島だけにしか生き残らず、飛べないように特殊化がすすんだ鳥になってしまいました。また、沖縄県の「県鳥」であるノグチゲラも沖縄島だけにすむキツツキで、世界でもその近い仲間がいない一属一種の鳥です。他にも奄美諸島(あまみおおしま)や沖縄諸島などの琉球列島だけにしかすんでいないアカヒゲやアマミヤマシギなどのような鳥もいます。さらにヒヨドリやシジュウカラ、ズアカアオバト、ハシブトガラスなどの普通種であっても島ごとや地域ごとに色や大きさが異なり、亜種化(あしゅか)している種類もあります。また、八重山諸島(やえやましょとう)には、東南アジアと共通するオオクイナやキンバト、カンムリワシなどの北限種も生息しています。
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