現在、私たちが観ることのできる琉球舞踊は古典舞踊、雑踊り(ゾウウドゥイ)、民俗舞踊、創作舞踊の4つに大別される。 宮廷舞踊とも呼ばれる古典舞踊は、首里王府によって庇護、熟成された。中国からの使者である冊封使(サッポウシ)の前で踊られた「老人踊り」「若衆踊り」「女踊り」と薩摩の役人の前で主に踊られた「二才踊り」がある。芸能を外交政策の重要な柱として位置づけた王府は、踊り手を全て士族の男性エリートとし、「踊奉行」を置くなど歓待芸としての「宮廷舞踊」をより洗練させて行った。 廃藩置県後、禄を失った役人舞踊家たちが芝居小屋で役者となり、庶民の生活や想いをテーマに革新的な舞踊を作り上げた。それが雑踊りである。 琉球の島々や各地に継承されている民俗舞踊は今も祭祀舞踊としての趣を色濃く残し、戦後の舞踊家たちによる創作舞踊は、古代からの舞踊の伝統の要素を取り入れ、現代に生きる私たちの姿を写しとろうと今も創作されつづけている。
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