王朝文化の華として発展した、独特な伝統工芸技術を保持し伝えるために、沖縄県は平成3年1月16日に県指定無形文化財・工芸技術として「琉球漆器」を指定、同時にその保持者として嘉手納憑勇氏、金城唯喜氏、前田孝允氏の三氏を認定しました。
琉球王国から沖縄県へ時代が変わった後も民間工房に引き継がれてきた漆器制作は、戦争による中断があったり、またアメリカ世、日本復帰という時代の移り変わりによって大きく変化し、現在も後継者育成など、抱えている問題は少なくありません。そんな中で制作活動をしてこられた3人の方々の特徴的な技法である箔絵・沈金・螺鈿の作品を紹介します。
【嘉手納 憑勇】
代表的な作品としては、
朱漆恵比須文箔絵鯛形食籠
(しゅうるしえびすもんはくえたいがたじきろう)
朱漆鳳凰牡丹唐草箔絵大平椀
(しゅうるしほうおうぼたんからくさはくえおおひらわん)
【金城 唯喜】
代表的な作品としては、
朱漆飛魚波沈金三段食籠
(しゅうるしとびうおなみもんちんきんさんだんじきろう)
黒漆芭蕉沈金料紙箱
(くろうるしばしょうちんきんりょうしばこ)
【前田 孝允】
代表的な作品としては、
朱漆螺鈿飾箱
(しゅうるしらでんかざりばこ)
黒漆蜻蛉螺鈿箱
(くろうるしとんぼらでんばこ)
などがあります。
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