近世琉球/琉球王国の再建 2/10

■羽地朝秀の思想

 羽地朝秀(はねじちょうしゅう)がおこなった大胆な政治改革は、琉球はもともと日本と祖先を同じくするという「日琉同祖論」という思想のもとに成り立っていました。薩摩との協調関係を築くには、このような思想をもとに薩摩による支配を正当化させる必要があったのです。
 羽地は摂政になる以前、日琉同祖論にもとづいて『中山世鑑(ちゅうざんせいかん)』を編集しました。これは琉球最初の正史ですが、琉球が太古から日本と関わりのあることが史実として記されています。
 このような羽地の現実色の強い政策は、琉球内部の批判を受けながらも、混乱した王国を復興させる改革として推進され、琉球そのものを古流球から近世琉球へと転換させる大きな役割をになっていました。


中山世鑑


中山世譜



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