八重山諸島で2番目に大きい石垣島は、島の中央部に県内で最も高い於茂登岳(おもとだけ)[525.8m]をはじめ、他にもバンナ岳や前勢岳、野底岳などの丘陵地が連続し、ここにはオキナワウラジロガシやイタジイなどの広葉樹林帯が広がっています。ここでは北限種で国の特別天然記念物のカンムリワシや天然記念物のキンバトをはじめ、亜種化したイシガキシジュウカラやリュウキュウキビタキ、チュウダイズアカアオバト、リュウキュウサンシヨウクイなどが生息し、他にもズグロミソゴイやオオクイナなども見られます。また、夏鳥として渡来するアカショウビンやサンコウチョウなどがここでヒナを育て、秋季にはアカハラダカ、エソビタキ、サシバなどが飛来してきます。さらに冬季になると寒さを避けシロハラ、アカヒゲ、メボソムシクイなどが渡来してきて、越冬します。
一方、名蔵川や宮良川、吹通川などの大きな河川の河口には、広大な干潟が広がリ、河岸にはヤエヤマヒルギやメヒルギ、マヤプシギなどを中心としたマングローブ林が形成されて、独特の景観をなし自然の豊かな地域です。そして、島の海岸近くには、豊富な水量を利用した水田地域が至るところに広がっています。こうした河口干潟や水田地域には、留鳥のバンやシロハラクイナ、ムラサキサギ、リュウキュウヨシゴイ、カルガモ、カワセミなどの水辺に生息する鳥が見られ、秋季から冬季にかけては、ダイサギ、アオサギ、コサギなどのサギ類、アオアシシギ、セイタカシギ、チュウシャクシギ、タカブシギ、クサシギなど数多くの渡り鳥が飛来(ひらい)してきます。時にはマングローブ林のある河川沿いでナンヨウショウビンやコウノトリなどの迷鳥がまれにみられることもあります。
また、石垣島から船で15分と近い竹富島や30分かかる黒島なども、牧場や御嶽林、海岸林などに野鳥があつまり、シロガシラ、ズグロミソゴイ、キジバト、オオクイナなどの留鳥のほか、冬季にはアカモズ、アマサギ、チュウサギ、ツメナガセキレイ、シロハラなどがみられます。ここでは石垣島の主な探鳥地4ケ所を紹介します。 |