八重山諸島で最も大きい島である西表島は、島の中央部には御座岳、古見岳、テドウ山などの高さ300mくらいの丘陵地が見られます。ここにはイタジイやオキナワウラジロガシなどの広葉樹林帯(こうようじゅりんたい)が広がり、カンムリワシやキンバト、カラスバト、キビタキなどの留鳥(りゅうちょう)がすんでいます。一方、仲間川や浦内川、前良川、後良川などの大きな河川の河口には、潮が引くと広大な干潟が広がります。その河岸にはヤエヤマヒルギやメヒルギ、マヤフシギなどを中心としたマングローブ林があリ、独特の景観をなしています。そして、島の東部から北岸、西部の海岸近くには、豊富な水量を利用した水田地域が至るところに広がっています。
こうした水辺の環境では、シロハラクイナやカワセミ、リュウキュウヨシゴイ、ムラサキサギなどの留鳥が生息しています。時には、ハイイロオウチョウ、クロジョウビタキなどまれな鳥類も観察され、西表島は島全体が探鳥地と言っても過言ではありません。 |