県内にすむ鳥類のいくつかは、貴重(きちょう)な鳥類として「天然記念物(てんねんきねんぶつ)」に指定され、大切に保護(ほご)されています。「天然記念物」とは国の法律や県・市町村の条例などに基づいて、その地域の自然を代表し記念するものとして、数が少なく学術的(がくじゅつてき)にも貴重(きちょう)な種類を文化財として指定し、みんなで大切に保護していくことを取り決めたものです。天然記念物には化石や地質条件(ちしつじょうけん)などもふくみますが、植物や動物であれば「生きた文化財」ということができるでしょう。
 一方、環境庁は1992年に「絶滅(ぜつめつ)のおそれのあるや野生生物の種の保存に関する法律」を施行(しこう)し、「国内希少野生動植物種(こくないきしょうやせいどうしょくぶつしゅ)」として51種を規制対象(きせいたいしょう)として選定しています。その中でも希少な鳥類として38種があり、県内ではその内11種が選定され、その法律のもとで保護されています。また、環境庁は、1991年に「日本の絶滅のおそれのある野生生物」《脊椎(せきつい)動物編》をまとめ、「絶滅種(ぜつめつしゅ)」と絶滅の危機(きき)に瀕している「絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)」、絶滅の危険が増大している「危急種(ききゅうしゅ)」、個体数が少なく、分布域が限られているような「希少種(きしょうしゅ)」とその他「現状不明種(げんじょうふめい)」と「地域個体群(ちいきこたいぐん)」の6つのカテゴリーに分けて選定しています。さらに沖縄県では1996年に「沖縄の絶滅のおそれのある野生生物」を作成し、環境庁と同様に「絶滅種」、「絶滅危惧種」、「危急種」、「希少種」、「地域個体群」の5つのカテゴリーにわけ、現状不明の種については「未決定種(みけっていしゅ)」として選定しています。
※ここで紹介するもの以外にアホウドリやコウノトリなども天然記念物です。
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