日露戦争後の不況にあえいでいた日本は、1914(大正3)年に勃発した第一次世界大戦によって一時撤退したヨーロッパ列強にかわって、アジア市場を独占することになりました。軍需品や鉱産物、薬品関係などの大量輸出によって景気は回復し、日本の工業の発達をもうながしました。沖縄もこの大戦景気の恩恵を受け、特産物の砂糖で利益をあげる「砂糖成金」が生まれるほどでした。
しかし、この大戦景気は長続きしませんでした。第一次大戦が終わって西欧勢力が再びアジア市場に進出してくると、日本の輸出は急速に減少し、国内では過剰生産によるいわゆる戦後恐慌におちいりました。砂糖の価格は下落し、深刻な不況の波が押し寄せてきました。
さらに、1923(大正12)年におこった関東大震災や、1929(昭和4)年におこった世界恐慌により、「昭和恐慌」とよばれる慢性的な不況が日本をはじめ沖縄の人々の生活を襲いました。
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