『中山世鑑(ちゅうざんせいかん)』
1650年、羽地朝秀(はねじちょうしゅう)が編集した琉球最初の正式な歴史書です。日本人と琉球人は元をたどれば同じ民族である、という「日琉同祖論」が根幹となっており、島津に支配された後の琉球人の意識を高めようとしました。
『中山世譜(ちゅうざんせいふ)』
1701年、蔡鐸(さいたく)が『中山世鑑』を漢文に訳したもので、1726年に蔡温(さいおん)によって改められました。ただし、琉球と薩摩との関係は、中国に知られないようにとの気づかいから別冊にまとめられています。
『琉球国由来記』
1713年、首里王府が編集した琉球最古の地誌で、全21巻にまとめられています。王城の公式行事や官職制度のほか、各地の旧記・由来、御嶽などが記されており、伝統的な琉球社会を知るうえでの貴重な文献となっています。
『球陽(きゅうよう)』
1745年、鄭秉哲(ていへいてつ)が王府の命でまとめた正史です。正巻は琉球各地でおこった出来事を記録し、附巻には薩摩関係の記録を、外巻には琉球各地に伝わる伝説や昔話を集めました。
『琉球科律』
1786年、琉球固有の法律と、日本・中国の刑法を参考にして日本文で記述しています。1831年には、科律の追加法典として『新集科律』が編集され、次いで1860年には民衆に読み聞かせて法律の知識をあたえ、犯罪をあらかじめ防ぐことを目的とした『法条』が公布されました。
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