現在の糸満市大里にある、カデシガー(嘉手志川)とよばれる水量の豊富な泉には、三山時代の伝説として次のような話があります。
カデシガーは、恵みをもたらす水量豊富な湧泉として、南山(なんざん)の農民たちに知られていました。中山(ちゅうざん)を滅ぼして王となった尚巴志(しょうはし)はある日、物欲の強い南山王・他魯毎(たるみ)に、金の屏風とこの泉との交換を申し入れました。他魯毎は喜んでその話にのりましたが、困ったのはカデシガーを利用していた大里の農民たちです。
尚巴志はみずからに従う者だけに泉の使用を許したので、たちまち人々の心は尚巴志の側に移っていきました。そして、他魯毎は信頼をなくし、尚巴志に滅ぼされたというのです。
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