先史沖縄/新石器時代の沖縄 2/4

■縄文時代の沖縄の様相(1)

●縄文時代早期(約1万〜8000年前)
 この時期の遺跡は、読谷(ヨミタン)村の渡具知東原(とぐちアガリバル)遺跡や、嘉手納町の野国貝塚B点遺跡、与那城町の薮地(やぶち)洞穴遺跡などがあります。その多くが海岸沿いにあることから、当時の生活が漁労中心であったことがうかがえます。沖縄でもっとも古い土器とされているのは、指頭や爪で押文様をほどこした爪形文土器(つめがたもんどき)で、今から6700年前のものとされています。ヤブチ式土器と東原(アガリバル)式土器が知られています。

●縄文時代前期(約8000〜5000年前)
 この時代の遺跡からは九州で生産された土器などが出土することから、九州縄文人が船で琉球列島に渡ってきたと考えられています。

●縄文時代中期(約5000〜4000年前)
 この時代は九州で勢力をもった人々が山地系住民であったことや、火山活動が活発だったことなどから、九州の縄文文化の影響がおよびませんでした。そのため、南島先史文化の中部文化圏という独自の文化を展開した時代ととらえられています。この時代の遺跡からは貝塚が発見され、人々は定住生活を営んでいたと考えられています。


爪形文土器



戻る 進む