先史沖縄/旧石器時代の沖縄 2/4

■琉球列島の旧石器人と旧石器文化

 地球上に人類が誕生したのは、今からおよそ400万年前といわれています。日本では、群馬県の岩宿遺跡から約3万年前の打製石器が発見されたのをきっかけに、旧石器時代の遺跡は全国でおよそ5000カ所も発見されています。
 このように、道具類が出土する旧石器時代の遺跡は全国でも多数発見されていますが、化石人骨の発掘例はきわめて少なく、旧石器時代の人類については具体的なことはほとんど分かっていませんでした。
 その旧石器人の全貌を明らかにしたのが、1967(昭和42)年、沖縄県で発見された港川人(みなとがわじん)でした。この化石人骨は、頭や手足のそろった完全なもので、年代測定の結果およそ1万7000年前の現世人類であることが分かりました。この発見によって、日本の旧石器人の容姿が具体的に説明できるようになり、旧石器人の研究を飛躍的に発展させました。
 沖縄ではこのほかにも、山下洞人(那覇市)・下地原人(久米島)・ピンザアブ人(宮古島)などの旧石器時代の化石人骨が発見されています。


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