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織物を伝える(染織の人間国宝)
芭蕉布 平良敏子

 2000年6月6日「芭蕉布」重要文化財保持者に認定。

 1920年2月沖縄県国頭郡大宜味村喜如嘉に生まれる。
 1946年岡山県倉敷市で外村吉之介に師事。同年11月に喜如嘉に戻る。
 1963年8月、本格的な芭蕉布織物工房を開く。
 平良敏子の芭蕉布は、なんといっても凛とした美しさが最大の魅力だろう。糸芭蕉本来の色である生成を生かした地にのびのびと飛び交うツバメの絣柄。清々しい限りの布である。その布を織る糸を得るためには、並々ならぬ努力が必要となる。平良敏子はいう。
「芭蕉布づくりは、糸次第です。何にするかどんな柄にするか糸と相談しないと何もできません。畑によって、また採る時期によっても違います。同じ畑で同じ時期に採っても、績む人によって皆糸が違ってきます。さまざまな糸を手にして、何にしようかと考えるのは楽しいときでもありますが、多くの人の手をお借りしてできあがった糸をきちんと生かさなければと、責任の重さに緊張する時でもございます。」

「心を映す鏡がほしい」そう語った平良敏子は、その先にいったい何を映しだそうとしているのだろうか。

【参考文献】『平良敏子の芭蕉布』 平良敏子著 日本放送出版協会/『芭蕉布と平良敏子』 沖縄県立博物館



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