染織を伝える 宮平初子(首里の織物) 玉那覇有公(紅型) 与那嶺貞(読谷山花織り) 平良敏子(芭蕉布)
織物を伝える(染織の人間国宝)
首里の織物 宮平初子

 1998年6月重要無形文化財「首里の織物」の保持者に認定。

 1922年11月、沖縄県那覇市首里桃原町に生まれる。
「私はいつもムシを探してこの元禄(袖口を指す)に入れていました。ー中略ー 私の宝物はこのムシでした。」と、幼少時代、ムシと蚕を間違ってかわいがっていたというエピソードもある。小さい頃からそれほどまでに織物に興味を持っていた。
 1939年、沖縄県立女子工芸学校で工芸・染織を学ぶ。泉川澄、森田孟照に師事し、首里織の技法を習得。柳宗悦との出会いにより、才能はさらに花開いていく。上京し、財団法人日本民藝館と柳宗孝染織研究所へ入所。そこで植物染料およびさまざまな織物の技法を学ぶ。1941年から母校に勤務しながら自己研鑽(じこけんさん)に励む。
 その後、首里は戦火で焦土と化す。その中から首里の織物を復興させようと尽力する。1970年1月、首里に宮平織物工房をひらく。

 宮平氏は、花倉織を中心に首里の織物すべてに精通しており、その伝統的技法を基にした作品を意欲的に制作し、発表している。
「仕事は仕事から習い、心の綾を織る」
 その信条のもと、日々、織物と向き合っている。

【参考文献】 『織りの散歩道 -「首里の織物」の風景-』 沖縄伝統本場首里織物保存会



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