信仰と暮らし人々の暮らし
 


【モーアシビー】
 人々の暮らしのなかには、信仰だけでなく、数多くの楽しみもあった。その一つがモーアシビーと呼ばれる、青年男女の交際の場である。
 モー(毛)は野原、アシビーは遊びを意味するが、必ずしも野原という分けではなく、村の広場や海岸などもモーアシビーの場となった。そこでは、思い思いに集まった若い男女が、三線(サンシン)を弾き、歌い、踊り、語り合った。
 モーアシビーを通して結婚にいたるケースは多いが、士族の娘は親が結婚の相手を決めていたので参加を認めなかった。人数は村の人口や季節にも左右されたが、10人前後から80人にも及んだという。


前の頁

次の頁