亜熱帯の特異な気候・風土のもと、動植物・岩石・貝殻などを利用して、沖縄では種々の道具が作り出されてきた。 沖縄の日常生活に見られる道具の特性としては、東南アジアと日本列島の接点をなすものが多いこと、素材の一部に手を加えだけの簡単なものが多いこと、島単位に独自性を形成していることなどがあげられる。 稲わらでは、縄や敷物、容器や蓑(みの)、草履(ぞうり)を編み、竹では主として種々の籠(かご)などが作られてきた。素材のわらや竹に代るものとしては茅(カヤ)があり、茅を利用した縄や容器も広く作られた。 繊維を利用するアダンやシュロ、クロツグ、ユウナ(オオハマボウ)、ゲットウなどのほか、トウツルモドキ、シマユキカズラ、クバ(ビロウ)なども素材としてあげられる。
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