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朱漆に沈金・螺鈿の発達 朱漆に沈金・螺鈿の発達

 この時代は、だいたい16世紀から17世紀になります。漆器の特徴としては、琉球独特の鮮やかな朱色や緑色の上に沈金や螺鈿で文様を描くことがあげられます。主な文様は、文様と地紋で器面を埋めつくしたり、独特な日輪に瑞雲鳳凰文を施したりしています。花鳥図が多いのもこの時期の特徴です。箔絵に螺鈿が併用して見られるのは、安土桃山時代の南蛮漆芸の影響と言われています。

代表的な作品としては、
緑漆鳳凰雲点斜格子沈金丸櫃
(りょくしつほうおううんてんしゃこうしちんきんまるびつ)

黒漆孔雀牡丹唐草沈金食籠
(くろうるしくじゃくぼたんからくさちんきんじきろう)

朱漆牡丹尾長鶏螺鈿卓
(しゅうるしぼたんおながどりらでんしょく)

などがあります。

 この頃は、古琉球の時代です。日本本土で言えば、室町の戦国時代から、だいたい安土桃山時代にかけての頃です。すでに琉球王国は成立しており、大交易時代、もしくは旧王朝時代と言われていました。
琉球王国が誕生したのは、1429年の尚巴志が三山を統一した年ですが、その後、15世紀後半には漆芸が伝来したことになります。琉球王国は、中国から受け入れた漆芸の技術を盛んに発達させ、高価な交易品として外国に積極的に輸出していました。この頃は、古琉球の中頃から後半にわたる時代です。
ちょうど1609年の島津氏が琉球征服をするまでとなります。時代背景としては、島津氏の支配がまだ行き渡らない琉球王国独自の漆芸文化が華開いた時代と言えます。当時の琉球王国は、中国との朝貢貿易を中心に、朝鮮・日本・東南アジア諸国との国家的貿易と文化交流を通して経済的、文化的な発達を遂げ、独自の王朝文化を形成していました。とくに中国からは、朝貢国として特別な待遇を受け、多くの文物が琉球に流入し、各種の技術が伝わりました。そのひとつに漆芸があるのです。この時期は、琉球漆器の緻密さや大胆さが表現された技法である沈金や螺鈿が出現した、琉球漆器の黄金期とも言われています。注目すべきことに、その頃の漆器技術は、すでに中国をも凌駕していたものと言われています。


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