【行政主席のあらまし】
琉球政府の機構は、米国の三権分立制をモデルに、立法(立法院)、行政、司法(裁判所)の三権をそなえた沖縄における全権機関として位置づけられていた。
しかし、その上には琉球列島米国民政府(USCAR)があり、自治権にも著しい制限が課せられたものだった。
行政主席とは、行政府の長であり、いわば現在の日本でいう総理大臣にあたる職務である。
そこにはUSCARの意向が大きく反映しており、選出方法も、彼らの方針に従って年代をおって変化している。
琉球政府が創設された1952年〜57年までは、米国民政府による『直接任命制』であったが、1957年〜60年は『米国高等弁務官任命制』、次いで1960年〜62年には『立法院の第一党方式』がとられ、1965年〜68年では『立法院間接選挙制』がとられており、住民側の意見はなかなか取り上げられなかった。
『住民による直接公選制』が実現したのは1968年、本土復帰を背景にした政治的な配慮からであった。
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