伊平屋島のいちばん北にある田名岬の山は、海岸近くから頂上までビロウの木でおおわれています。ビロウのことを沖縄の方言では「クバ」といいます。そのため、島の人々は田名岬の山をクバ山と呼んでいます。ビロウは宮崎県から台湾、中国南部まで自生するヤシの仲間で、沖縄の島々でも普通に見ることができます。昔から神様のおとずれる木として大事にされ、御嶽などによく植えられたようです。海岸近くの風の強いきびしい環境に生える植物です。この場所も、遠くから見るとビロウだけのようですが、その他タブノキ、トベラ、ホルトノキなどもあり、小さな島に発達する植物の様子を示す一例として貴重なものです。 |