12世紀〜15世紀にかけてのグスク時代は、狩猟や漁労などの採取経済から、鉄器などをともなった農耕中心の生産経済へと移行した時代です。
人々は、農耕に適した内陸部の平地に定住して集落を形成するようになりました。農耕生活が安定して暮しむきが豊かになってくると、集落はやがて大きな村落共同体となりました。外国との交易も活発化し、各地の実力者は積極的に貿易をおこなうようになりました。
こうして次第に富と権力を蓄えていった指導者は按司(アジ)とよばれるようになり、13世紀になると城塞としてのグスクを築いて、それぞれの周辺地域を支配するようになりました。そして、お互いが勢力抗争をくりひろげるようになりました。
14世紀ごろには、按司の中でもさらに強力な「世の主(よのぬし)」とよばれる按司があらわれ、沖縄本島の北部、中部、南部にそれぞれ大型グスクを築いて、三つの小国家を形成するようになりました。いわゆる三山時代(さんざんじだい)のはじまりです。
グスク時代の終盤の15世紀には、尚巴志(しょうはし)とよばれるもっとも有力な按司が三山を統一し、沖縄にはじめて統一国家が誕生することになります。
|