古琉球/大交易時代の琉球 7/7

■日本との交易

 中国の冊封(さくほう)を受け、特権的に中継貿易をおこなって発展をとげた琉球ですが、それには日本(ヤマト)の存在が重要な位置を占めていました。特産物のとぼしい琉球は、中国へ入貢する品々の多くを日本から調達しました。また、中国や東南アジアから買い付けた商品を販売する市場としての役割も、日本は果たしていたのです。
 日本との交易は、室町幕府に使節を送る公的な方法と、堺や博多、対馬などの民間商人と取り引きをする方法とがありました。琉球からは中国産の生糸・絹織物・陶磁器をはじめ、東南アジア産の香料・薬類などが運ばれ、日本からは日本刀や扇・漆器などの工芸品が輸入されました。琉球からもたらされる品々は上流階級のあいだで大変重宝がられ、交易も優遇されていたとみられます。
 15世紀の後半になると、幕府権力が弱体化して治安が乱れ、さらに倭寇が出没するようになったため、日本へ向かう交易船は減少していきました。かわりに日本商船が琉球におもむき、引き続き貿易をおこなうという形態がとられました。



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