先史沖縄/旧石器時代の沖縄 4/4

■化石人骨と旧石器文化

 国内では、旧石器時代の化石人骨の多くが沖縄の島々で発見されています。それは、沖縄の琉球石灰岩洞穴(鍾乳洞)からにじみ出る地下水が、炭酸石灰分を多くふくみ、洞穴内の人骨を化石化するためです。
 いっぽう、遺跡が多く見つかっている関東地方の関東ローム層は、火山灰が堆積してできた酸性土壌なので、長い年月の間には人骨が溶けてしまいます。
 沖縄県内では現在までに洞穴が600余も確認されていますが、調査されないまま埋められたり、破壊されたりしている例も多くみられます。これらは、旧石器人骨が保存されている可能性もあるだけに、丹念な調査が望まれます。鍾乳洞の探検や発掘の進展によっては、化石人骨の発見が増加することは確実だと考えられているのです。

名 称 推定年代 化石骨の発見部 発掘年・場所
山下洞人 3万2000年前 幼児の大たい骨・けい骨など数個 1962年那覇市
米原人 3万年前? 骨盤・大たい骨・鎖骨など 1966年石垣市
(石垣島)
大山人 1万8000年前 成人の下アゴ 1966年宜野湾市
港川人 1万7000年前 ほぼ完全な人骨4体〜7体 1967年具志頭村
ピンザアブ人 2万6000年前 頭蓋骨の破片 1979年上野村
(宮古島)
伊江ゴヘズ人 2万年前 アゴの骨・頭蓋骨の破片 1977年伊江村
(伊江島)
下地原洞人 1万5000年前 乳幼児の大たい骨・下アゴの右半分など約50個 1983年具志川村
(久米島)


戻る 進む