国内では、旧石器時代の化石人骨の多くが沖縄の島々で発見されています。それは、沖縄の琉球石灰岩洞穴(鍾乳洞)からにじみ出る地下水が、炭酸石灰分を多くふくみ、洞穴内の人骨を化石化するためです。
いっぽう、遺跡が多く見つかっている関東地方の関東ローム層は、火山灰が堆積してできた酸性土壌なので、長い年月の間には人骨が溶けてしまいます。
沖縄県内では現在までに洞穴が600余も確認されていますが、調査されないまま埋められたり、破壊されたりしている例も多くみられます。これらは、旧石器人骨が保存されている可能性もあるだけに、丹念な調査が望まれます。鍾乳洞の探検や発掘の進展によっては、化石人骨の発見が増加することは確実だと考えられているのです。
名 称 |
推定年代 |
化石骨の発見部 |
発掘年・場所 |
山下洞人 |
3万2000年前 |
幼児の大たい骨・けい骨など数個 |
1962年那覇市 |
米原人 |
3万年前? |
骨盤・大たい骨・鎖骨など |
1966年石垣市
(石垣島) |
大山人 |
1万8000年前 |
成人の下アゴ |
1966年宜野湾市 |
港川人 |
1万7000年前 |
ほぼ完全な人骨4体〜7体 |
1967年具志頭村 |
ピンザアブ人 |
2万6000年前 |
頭蓋骨の破片 |
1979年上野村
(宮古島) |
伊江ゴヘズ人 |
2万年前 |
アゴの骨・頭蓋骨の破片 |
1977年伊江村
(伊江島) |
下地原洞人 |
1万5000年前 |
乳幼児の大たい骨・下アゴの右半分など約50個 |
1983年具志川村
(久米島) |
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