しかし、普猷の沖繩研究もかんたんには進まなかった。というのも、それまで沖縄の研究をする人はほとんどいなかったため、歴史の資料
(しりょう)
がちゃんと整理されていなかったのである。
そこで那覇や首里の家をまわって、いろいろなものを書きうつしたり、沖縄の歴史を知っている老人たちから話を聞いたりして、ねばり強く材料を集めた。