琉球舞踊を彩る脇役たち

 琉球舞踊の魅力は踊りの優美さや軽快さ、歌・三線の哀切感とともに、目に飛び込んでくる紅型衣裳の色や図柄、青い空にくだける波が大胆にデザインされた花笠などの小道具類の美しさではないだろうか。
 古典女踊りでは紅型衣裳をまとい上級士族の華やかさが表現され、一方雑踊りでは紺地(クンジー)衣裳に帯を使用しない着つけ(ウシンチー)に、庶民の知恵と美意識が表現されている。また、採物(とりもの)と呼ばれる小道具に思いを集中させ心情を表現する舞踊が多いのも琉球舞踊の特徴のひとつだろう。
 そして琉球舞踊を彩る脇役として忘れてはならないものが、身分や年齢・性別によって結い上げの異なる琉髪の美しさではないだろうか。結い上げられた髪や簪(かんざし)、衣裳や小道具の魅力にせまってみたい。

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衣裳 小道具の種類
琉髪(からじ)の結い方

写真:砂川敏彦