鑑賞のポイント
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 琉球舞踊を観るポイントは、人それぞれに違うのが当然である。鑑賞のポイントにしばられ自由に感じる心を失ったとしたら、琉球舞踊を深く鑑賞し心を豊かにすることができるのだろうか。
 ただ、歌詞を表現する上で重要な箇所や特徴的な所作を知るのは、より深く舞踊を味わう上で無意味なことではない。とくに古典女踊りでは、終始無表情な顔で踊られるため、歌詞を理解し、手、足、目付(ミィジィチ)の表現でしか心情を読み取ることができない。限られた表現手段で喜び、悲しみ、恥じらい、恨み、せつなさなどの細やかな感情を、音曲や歌の力に頼らず、踊り手は生身の舞踊で表現できるのか。
 制約が大きければ大きい程、表現はより洗練され観る者を深い感動に導く。そんな舞踊に出会いたい一心で出羽(ンヂファ)の踊りを待つ瞬間が鑑賞者の醍醐味である。一般的に特徴のある所作や鑑賞のポイントを女踊り二才踊りにしぼってみてみよう。


古典女踊り 二才踊り

写真:砂川敏彦