二才踊り
二段ガマク「高平良万歳」

 組踊「万歳敵討」で謝名の子と慶雲の舞踊を独立させた二才踊り。「道行口説」「万歳かふすぶし」「おほんしゃりぶし」「さいんする節」の4曲構成になっている。
 特に「おほんしゃり節」では旅芸人である京太郎になりすまし、 猫や鼠のまねをして空手風な踊りをみせたあと、「隣の耳切れ」で観客に背を向け、舞台奥へ歩きながら左右の足を交互に上げながら腰をいれていく「二段がまく(腰)」は高度な技術を要する重要な所作である。また、一曲目の「道行口説」の「吾が敵に」の所で見せる「二段バネ(跳)」や杖をクルクルと小気味よく回す所作も見逃すことのできない見どころである。

二段ガマク 杖の妙技
二段ガマク
(ニダンガマク)
杖の妙技
(ツエノミョウギ)
吾が敵に・・・ 編笠深く・・・
吾が敵に・・・
(ワガティチニ・・・)
編笠深く・・・
(アミガサフカク・・・)

コラム コネリ・ナヨリと東南アジアの舞踊

 「コネリ」とは掌をやわらかくこねる動きであり、「ナヨリ」とはなよやかな上体の動作だという。オモロの唱えにのせてコネリ・ナヨリながらゆったりと踊られたのが古い琉球舞踊の基本とされる。
 似たような動きがインドやタイ、カンボジア、インドネシアにも見られるというが、本当だろうか。全く違うものにも見える。形は似ているが掌のやわらかさが違う。掌をつっぱると上体はしなやかに動けず、いきおい首や頭がヒョコヒョコ動く。掌のやわらかな琉球舞踊はガマクを入れることで上体に芯を通し、切れのある動きを獲得したのだと言える。東南アジアの舞踊をみていると「やわらかな掌の動き」こそが琉球舞踊の大きな秘密のように思える。

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写真:砂川敏彦