ある日、渡嘉敷ペークーが王様に呼ばれて囲碁(いご)をしていた。

仲良く囲碁を打つ王様とペークーは、いつものように、友だちのように話をしていた。

「はい、これでどうだ」
「うーむ、ちょっと待ってくれんか、ペークー」
「いいや、だめ。だから、早く次の石を置いて」
「どうしてもだめか。じゃあ、これではどうだ」
「はいはい、これできたか。じゃあここに置いてと」
「はーぁ、負けだ負けだ」
「残念でした。また次には、ちゃんと勉強してくるように」

などと言いながら、囲碁を終わって帰ろうとしているペークーに、王様の側にいる家来が、

「王様を何と思っているか。無礼ではないか。そんなことではいけない。これからはきちんと家来としての言葉づかいをしないといけないぞ」

といったので、ペークーは、

「そうでございますか。これはこれは私が悪うございました。これからは気をつけて、友だちのような口のききかたはしないようにします」

と言って帰ったそうな。