祭りの日、一人家を出たマーペーは、どうしてもカニムイの住む黒島が見たくて、苦しみながらも野底岳に登っていった。

だけど、やっとのおもいで、ちょう上にたどりついたマーペーが見たものは、石垣島で一番高いおもと岳だった。

どんなに目をこらしてみても、カニムイの住む黒島は見えない。

とうとうせいも根もつきはてたマーペーは、悲しみのあまり、そのまま石になってしまった。

今でも野底岳のちょう上には、石になったマーペーが、いとしいカニムイの住む黒島の方を見てすわっているわけ。

悲しい悲しい石垣島に伝わるお話さ。