屋敷と建物
 


【参考:『図説 郷土のくらしと文化上巻/1980年/(有)新星図書出版』】

 沖縄の伝統的な住まいは、屋敷と建物で構成されている。
 石垣や生垣などで囲った屋敷は、一般的に南側の道に面し、中央に門が開けられる。門には扉がなく、ヒンプン(ついたて)を置いて、外からの目隠しにしている。
 屋敷内の中央やや後ろ寄りに、母屋(または主屋=おもや)と台所が建つ。母屋とヒンプンの間の空間は中庭(ナー)である。
 母屋に向かって右手の東南側に、「アシャギ」(前の家=メーヌーヤーとも呼ぶ)という別棟の家を建てているが、ふつうは母屋と縁続きになっている。
 農家では、中庭の西側に農作物を貯蔵する高倉があり、台所左手の南西側には畜舎や納屋がある。その後方に、豚の飼育小屋を兼ねた石造りの便所「フール」があった。
 母屋の裏にある「アタイ」と呼ばれる空き地では、自家用の野菜などが栽培された。井戸は台所の南側にあった。

いろいろな家