阿良岳周辺
仲地水田
 沖縄島の西方約90kmの洋上に浮かぶ久米島は、かつては県内でも一大水田地域でしたが、今日ではサトウキビを中心とした畑作にかわリ、現在では仲地集落の周辺などに残るだけです。一方、森林地域は島の北側に宇江城岳や大岳、だるま山を中心とする丘陵地に広がっています。また島の南側の島尻地域にはアーラ岳を中心とする丘陵地があリ、リュウキュウマツ林やイタジイが優占する広葉樹林(こうようじゅりん)が広がっています。
 久米島の探鳥地として、海岸近くの低地では銭田川、儀間川、白瀬川などの河口部、謝名堂や鳥島、真謝の海岸などには水辺の鳥が集まってきますので、こうした場所がねらい目です。また、ティ原池[ダム]やウーリー池[ダム]、太田ダムなど古い時代に築造された池を含め溜め池が数多く見られ、水辺の野鳥が多く見られます。こうした水辺の環境では留鳥のカワセミ、バンなどのほか、冬季にはダイサギ、アオサギ、オオバン、コガモ、オナガガモなど水辺に飛来する渡リ鳥が観察されます。
 一方、森林地域では宇江城岳やだるま山近くに整備された自然公園のだるま山園地や島尻のアーラ岳などがあります。ここにはカラスバト、キジバト、ヒヨドリ、アマミヤマシギ、ウグイス、コノハズクなどの留鳥のほか、秋期にはアカハラダカやエゾビタキ、サシバ、ホトトギスなどが飛来します。冬季にはシロハラ、アオジ、ヤマシギなどが渡来し、越冬します。春季にはヤツガシラが草原などで見られます。これまで久米島では約120種の鳥類が記録されています。
秋季から冬季(9月から翌年4月)
 島外から行くには1日1往復のフェリーと1日3便の航空便があります。島内では久米島一周線のバスがありますが、内陸部や森林地域は車があれば便利でしょう。
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