現在の大里村西原集落の北東、大里グスクの城門近く設けられた井泉。周辺は標高150メートル前後の台地となっている。 築造年代は定かではないが、大里グスクとの関係から14世紀頃と推定され、西原集落の共同井戸として使用されてきた。 道路面から約8メートル下に、井戸の水が湧き出ている地点があり、琉球石灰岩の岩盤を削って43段の階段が取り付けられている。取水池の岩盤部分に琉球石灰岩の面取り積みの石垣が積まれていることから、大里城跡の城壁の一部ともみなされている。 伝承によれば、井戸が城壁外にあると清水が湧きだし、グスク内に取り込まれると水が涸れたとのことである。また、グスク内にあったスクヤマヌウカー(御井)が涸れたため、新たに築造したとの伝えもある。 大里グスクと密接に関わっているだけに、グスクと井戸との関係を理解する上でも貴重な井泉だといえる。 01.沖縄の井泉 |