糸満市与座にある井泉で、与座岳ふもとの与座集落西方のはずれに位置する。村人の飲料水と製糖工場の運転の動力として活用されていた。 もともとは墓を造るために掘った穴が水脈に当たって湧き出たとされ、「与座村引泉漑田(がいでん)碑記」によると、尚敬王の命で1726(尚敬14)年に整備工事がなされたという。1836年と1853年に改修が行なわれた。 水量は豊富で、稲作が盛んに行われていた頃は、村内の田んぼだけでなく、遠く東風平や兼城方面にも給水したという。サトウキビ作が中心となってからは、与座周辺だけに給水されているという。戦後は米軍がこの水源を接収していたが、現在は、井泉を取り込んだ公園として新しく整備され、周辺の人々に親しまれている。 井泉の構造は、渓谷型に掘り抜いたもので、「与座村引泉漑田(がいでん)碑記」によると、1726(尚敬14)年に整備工事をしたという。その後、1837(尚育3)年に大きな改修工事を行い、今の形に整備された。 強固な石積み構造は、昔をしのぶに十分なもので、敷地の広さも県内有数の規模を誇っている。 19.チチンガー |