糸満市大里にある大規模な井泉。どんなに旱魃が続いても決して涸れないとして、沖縄全域にその名をとどろかせた歴史的にも有名な井泉である。カデシとは「めでたい」の意とされる。 『琉球国由来記』(1713年)には嘉多志川とあり、以下の説話が記されている。 ある大干ばつのとき、雨も降らないのに全身が濡れた犬が山から出てきた。不思議に思って山に入っていくと、水が流れる所に着き、犬は水中に入って石となった。その石は石積みで囲って大切にしたというのである。 また、沖縄の中世時代、佐敷の按司(あじ)尚巴志(しょうはし)と、南山城按司の間で行われた嘉手志川をめぐる話も、『球陽』(1429年)とほぼ同じ内容で紹介されているという。 18.与座ガー |