宜野湾市大謝名にある、大謝名小学校の裏門側に湧きだす樋川(ヒージャー)。 「布積み」と「あいかた積み」で、三つに分けられた開口部の上には、水の神の香炉が安置されている。 水が流れ落ちる所は階段状の敷石で、よそで見られる貯水槽はない。土砂が落ちるのを防ぐため、周囲のほとんどは自然石の「野面積み」で囲まれている。 大謝名区では上水道が完備される以前は、生活用水はもちろん、正月の若水や産水(うぶみず)などにも、このメーヌカーの水を利用していた。部落発祥と大きく関わる重要な湧泉であるだけに、その恩恵にこたえるため、現在でも区民は正月、2月、8月の節々に、「カーウガミ」を行っている。 また、メーヌカー前に広がる「港田原(ナトゥダバル)」とよばれた低地は、かつて入江となっていて、日本本土や中国の貿易船が出入りしていたと伝えられる。その船に水を提供したとされる「ヤマトゥガー」や、「カンジャーガマ」なども近くにあり、周辺は大謝名区の歴史を考えるうえで重要な場所となっている。 14.垣花樋川(かきのはなヒ−ジャ−) |