宜野湾市我如古にある井泉で、その入念で見事な石積みが特に有名である。井泉の説明板によると、部落発祥以来、村人の命の水として親しまれてきたが、井戸への入口が岩盤に閉ざされ使用に不便であった。そこで1892(明治25)年、村の有名な石細工、新末吉と上門が、村人とともに改修にあたったという。 入口の階段のうち5段は一つの岩盤を切り取って出来ており、壁面の積石も極めて精巧に細工され、その美しさには昔の石造技術の卓抜さがしのばれる。 また、この湧水は村の水神を祭った拝所であり、村の祭祀はここを起点になされたという。湧泉の外側に広場を設けるなど、至る所に当時の知恵と工夫がうかがえると同時に、神聖な場所でもある。 湧泉の石積みの一部は、長い歳月の間に崩れてしまったため、1991(平成3年)年度から2年がかりで、市教育委員会が現在のような形に復原工事を実施した。 12.森の川(ムイのカ−) |