金武町並里区の中央に位置する、約30メ−トルの長さをもつ井泉。沖縄本島随一の井泉として本島全域によく知られている。 豊富な水量は1日1000トンを越え、干ばつ時にも涸れることがない水が、下流に広がる武田原の稲・水芋の田畑に注いでいる。上下水道の完備しない以前は、並里住民の飲料水・生活用水として重宝されたほか、洗濯や牛馬の浴場としても利用されていた。 衛生上の見地から、金武並里両区で経費を負担し1924(大正13)年1月に竣工。数箇所ある湧出口から流れ出る水は、コンクリートで用途別に区切られ、飲料水、男女別の水浴場を設け、道路下方は洗濯場、芋洗い場とされた。元旦には若水を汲み、夏には水浴を楽しむ、地域住民の憩いの場、出会いの場であったといえる。 また、この井泉(大川)には、金武の洞穴にすんでいた大蛇が、夜になると毎日のように洞穴を抜け出してはやってきて、水を飲んで帰っていたという伝説が残っている。 11.我如古樋川(がねこヒ−ジャ−) |