自転車Text

 自転車が沖縄に登場したのは1889〜90(明治22〜23)年ごろで、ほとんどは医師の往診用に使われた。
 明治40年ごろになると、高価ではあったものの県庁の役人や企業家にも利用されるようになった。
 明治末期から大正年間にはいると一般化がすすみ、自転車で那覇市内や市外への行商・商品配達を行う商店が那覇市内にあらわれ、島尻(しまじり)や中頭(なかがみ)、時には国頭(くにがみ)まで自転車で行くこともあったという。
 自転車に乗れることは現在の運転免許を持つのと同じほどの意味があり、その利用数も1921(大正10)年に1399台、1940(昭和15)年には6560台を数えるほどであった。自転車専門店が那覇市内にあらわれるなど、交通運輸の花形として戦時体制が強化される昭和10〜15年ごろまで活躍した。
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