泊高橋TextPhoto1

 泊高橋は、泊港に注ぐ安里川の河口にかかる橋。国道58号線と又吉道路が交差する現在の橋は、交通の要地になっている。
 もともとは木造の橋で、1699(尚貞31)年8月に石橋への改修工事が始まり、翌年2月に完成した。
 同年建立の泊高橋碑文には、「泊村は中山(ちゅうざん)に重要な地で、前に入江がある。西北諸島の舟は事あるとき、みなここに停泊する。そこで地名を泊村、橋名を泊高橋という」とあり、木橋は年をへて、風雨におかされ渡れない状態になったので、石橋をかけたと記されている。
 船がその下を通れるよう、橋は中央のアーチが高くなっていたため、「高橋」と名付けられたようで、人々は3段の階段を上り、勾配が急な橋の路面を渡ったといわれる。
 しかし、橋からの眺めは素晴らしく、のちには、真玉橋(まだんばし)・比謝橋(ひじゃばし)と並ぶ沖縄三大名橋の一つといわれた。
 1905(明治38)年ごろには、人力車が通れないとの理由から勾配を緩やかにし、階段も取り払われた。
 1934(昭和9)年には、交通量の増加に対応するため、新たにコンクリート橋が架けられたが、1945(昭和20)年の沖縄戦の際、米軍の侵攻に備える日本軍の手で橋も碑文も破壊された。
 橋が新しく建設されたのは1952(昭和27)年。現在の橋は1974(昭和49)年に完成したもの。沖縄三大歌劇の一つ「泊阿嘉」はこの橋の場面からはじまる。
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