年に数回取れる苧麻(ちょま)を紡いだ糸を原料に織られる麻織物です。かつては日本国内で知られていた「薩摩白上布」と呼ばれていました。 巻いた経糸(たていと)に重りをつけ、経糸の張りが一定になるように工夫された八重山地方独特の高機(たかはた)で織っていきます。染色は石垣地方を北限とする紅露(クール)で糸を染めます。仕上がった布を太陽にさらし、赤茶色を赤褐色に落ち着かせ、色落ちをしないよう工夫します。最後は5時間、海にさらします。 上品で肌触りも良く、涼しげで夏の着物としては最適です。
高機(たかはた)
巻いた経糸(たていと)に重りをつけ、経糸の張りが一定になるように工夫された織機(おりき)。
海ざらし(うみざらし)
天日乾燥して色止めした後、海水にさらします。白上布がより白くなり、絣の色 を定着させる効果があります。