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オモロと沖縄学の父。伊波普猷

image 伊波普猷(いはふゆう)は、一生をかけて沖縄を研究しつづけた沖縄学の父である。沖縄の歴史や文化を県民にわかりやすく広めるとともに、沖縄の人々にほこりと勇気をあたえた。


 伊波普猷は、1876(明治9)年、那覇市西村のゆうふくな家の長男として生まれた。小さい時のかれは、どういうわけか食べることがきらいで母をこまらせていた。ある時、なんとかごはんを食べさせようとしたおじいさんが、近所のまずしい子どもたちを家によび、いっしょに食事をさせた。すると、まわりの子どもたちがおいしそうにごはんを食べるのにつられ、普猷もごはんを食べるようになったという。このように普猷少年は、やさしい家族に守られて、何ひとつ不自由することなく育った。

 普猷が生まれた3年後、400年近くつづいた琉球王国がなくなり、琉球は日本のひとつの県として新しい仕組みの中にとり入れられた。このため普猷も、16さいの時に入学した中学で、カタカシラとよばれていたチョンマゲを切られてしまった。学校では日本人としての教育がすすめられ、日本より沖縄はおとっていると教えられたほか、他府県からきていた先生によるいろんな差別もおこなわれていた。
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