冊封使の時代
宮廷舞踊

 冊封使(サッポウシ)とは新しい琉球国王の即位にあたり、中国皇帝の勅書や王冠を授けるためにやって来た人々のことである。王冠を持って来た船にちなみ、冠船あるいは御冠船(ウカンシン)と呼んだ。琉球には、15世紀の初めから19世紀中頃までに、合計22回冠船がやって来た。2隻の船に総勢5百名が乗り込み、滞在は7、8ヶ月にも及んだという。冊封使をもてなすため七宴を設け、特に中秋重陽(チョウヨウ)の両宴において芸能(冠船踊り)が上演された。
 17度目の冠船では玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)が踊奉行に任命され、組踊が初上演された。琉球舞踊は、冠船の歴史とともに宮廷舞踊としてより洗練されていくことになる。


冊封使行列図
冊封使行列図
座楽並躍之図6
座楽並躍之図6
座楽並躍之図8
座楽並躍之図8

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写真:砂川敏彦