冊封使以前の芸能
祭祀舞踊
初穂

 琉球舞踊の基本の手である「拝み手」「押し手」「こねり手」などの手の所作は、「神遊び」と呼ばれる祭祀行事においてすでにみられたという。古代歌謡集である『おもろさうし』のなかには舞踊が振り付けられたものもあり、伝統行事として継承されているシヌグなどの祭式舞踊の中に古代の舞踊の型を現在でも見ることができる。
 609年の『隋書琉球国伝』には「女子ヲ扶ケテ膊ヲ上ゲ、手ヲ振リテ舞フ」(女性が手を上げて踊る)と宴席において、物悲しい唱和にのせて踊られたという記述もみられる。


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写真:砂川敏彦